プロ野球 パ・リーグ戦力分析2013 その3・その4

開幕も近いので、二本立てで行きます。



東北楽天ゴールデンイーグルス
○2012年成績 67勝67敗10分 4位 491得点(4位) 467失点(3位) 得失点差 +24
主な戦力異動:+ジョーンズ、マギー、斎藤隆、則本



オフに大物メジャーリーガーの補強で球界を驚かせた楽天です。昨期はBクラスながら勝率は5割。得失点も結構プラスとなっており、次第にチーム力が増しているのが伺えるところ。果たして今年の台風の目となるでしょうか?


投手陣。WBCでは少々不完全燃焼でしたが、押しも押されぬエースの田中がいます。続いて美馬、釜田、辛島と楽しみな若手投手が続々。新人の則本も評価が高いようで(西武が指名するという噂もあったんですけどねえ……)。ただ、田中も含めてちょっと若すぎるというか、ここぞという時に頼れるベテラン的な存在が不在って気はしますね。


リリーフはもうおなじみになりつつある青山、小山に、ラズナー、ハウザーといったところでしょうか。「抜群にすごい」というメンバーではないのですが、なかなか手強いイメージはあります。メジャーから地元に帰った斎藤隆はどうなんでしょう。43歳という年齢的には厳しいものがあるでしょうが、経験を生かしてもう一花咲かせてもらいたいものです。


野手ですが、盗塁王の聖澤に進境著しい銀次、チームリーダーの松井に、攻守に安定感のある藤田、西武戦でばかり良く打つ牧田ら、脇を固める選手はそろいました。あとは創設以来長年の課題といえる長打力不足。そこを新外国人のジョーンズとマギーに託すことになります。ジョーンズの大物ぶりはいまさら説明するまでもなく、その影に隠れてはいますが、マギーもなかなかの実績。どういったバッティングを見せてくれるのか、相手としては怖いですが、野球ファンとしては楽しみです。


楽天も、早いもので創設より9年目となりました。過去8年間で最下位3度を含むBクラス7回。Aクラスは2009年の2位が唯一です。さすがにいつまでもこの体たらくでは、ファンに顔向け出来ないでしょう。オフには田中のメジャー挑戦も噂されるだけに(個人的にはまだ行ってもらいたくないんですが)、今年にかける意気込みは伺えます。助っ人打者二人が爆発すれば悲願の優勝も決して夢ではない。そんな風に感じさせる今期の充実ぶりですね。



【評価】 投手☆☆☆☆  野手☆☆☆+  総合☆☆☆+




福岡ソフトバンクホークス
○2012年成績 67勝65敗12分 3位 452得点(5位) 429失点(1位) 得失点差 +23
主な戦力異動:
+ラヘア、パディーヤ、五十嵐、寺原、江尻、吉村
−馬原、多村、岡島、小久保



11年オフに、杉内、和田、ホールトンの3本柱を失ったソフトバンク。「いくら強豪でもさすがに堪えるだろう」と思われましたが、終わってみればそれでもきっちりAクラス&貯金を確保。それも補強した帆足やペニーが全く働かなかったにも関わらずのチーム防御率1位で、その底力を見せつけてくれたのでした。そして今オフも貪欲に補強。なんなんですかね、この加入メンバーの豪華さは。うらやましいことです。


まず今年もエースは攝津で揺るがないでしょう。ドラフト5位指名の高齢社会人選手が、新人王になって最優秀中継ぎになって、先発で二桁勝って、去年はとうとう最多勝。すごい話です。そろそろ疲れてきてもおかしくはないのですが、体調さえ問題なければ簡単に崩れることはないでしょう。


実は攝津以外の先発はそれほど層が厚いわけでもなかったのですが、ここで強力な新外国人投手、パディーヤを獲得しました。さすがに球団も注意しているでしょうから、ペニーの二の舞ということはないでしょう。続いて大隣、山田、FAで復帰の寺原といったところでしょうか。注目は昨年、8勝1敗・防御率1.07と高卒ルーキーとは思えない驚異的成績を残した武田。今期も順調に伸びるのか、はたまた2年目のジンクスがあるのか。まあ、これ以上伸びたらどうなっちゃうんだというところではありますが。


リリーフはどうでしょうね。馬原を取られたのと岡島がアメリカに戻っちゃったのは多少響きそうな気もするんですが、ここも五十嵐と岩嵜あたりであっさり埋めちゃいそうな気がしないでもありません。やっぱり人材豊富です。


さて野手ですが、実は去年の得点数は5位だったのですね。ちょっと意外。内川、ペーニャ、松田と中軸は揃っているように見えましたが、それ以外の選手が弱かったでしょうか。ああ、あとは松田の故障もありましたか。そこでこちらも新外国人としてラヘアを補強して来ました。なんでも去年のメジャーオールスターにも出場した有望株だとか。左に弱いということですが、毎回左投手を出すわけにもいきません。若手パワーヒッターの柳田もオープン戦で売り出し中。打線は昨年以上に厚くなりそうです。


最近のソフトバンクは、やる気があり、お金があり、スカウト力があり、育成力がある。スキがないです。去年こそ一休みしたものの、だんだん手の付けられない状態になっているような気がします。他球団が頑張らないと、今後10年また黄金時代が続いてしまうかもしれません。



【評価】 投手☆☆☆☆+  野手☆☆☆☆  総合☆☆☆☆+