新世界より 第22話「東京」

早季が母親から託されたものは、真理亜のそれを思い起こさせる愛情のこもった手紙と、意外やミノシロモドキこと国会図書館端末でした。まだ在庫があったのですね。さすがは図書館司書です。いやあ、あれだけ貴重な情報源を離塵師が壊してしまったのはもったいないと思っていたのですよ。残りを大事にしませんと。


戦局を逆転させる切り札を求めて、奇狼丸を加えた早季たちは潜水艇に乗り込み、東京を目指すのでした。この潜水艇はかっこ良いですね。呪力が動力というのが原始的なんだか未来的なんだか分かりませんが、ややレトロ風味の素朴な世界観を見て来ただけに、機械機械したものが新鮮に映ります。しかしあれだけのものが潜航して進めるとは、利根川は意外と深いのですねえ。


悪鬼を撃退する最後の手段、サイコバスター。SF的なネーミング(もちろん今作自体SFですが)に反して、その実体は炭疽菌という恐ろしさ。「環境にやさしい細菌兵器」とはブラックユーモアなことです。早季が使用をためらうのも当然ですが、他に手段はないのか。早季の両親が試みた猫作戦はどうなったのかなあ。


廃墟どころか地獄のような状況の旧東京地下を進む一行。そもそも奇狼丸もどこまで信用できるのか、野狐丸が追ってきているという情報自体彼のセリフのみですから、疑いだすと切りがありません。混迷の中、果たして未来は開けるのでしょうか。