新世界より 第18話「紅い花」

優勢だったはずの大雀蜂コロニーが謎の壊滅。その要因として、呪力を持った人間が塩屋虻コロニーに加勢したためではないかという仮説が提示されます。真理亜と守のことを思い浮かべずに入られなかった早季ですが、富子はこれをきっぱりと否定。遺骨はDNA鑑定や歯型まで合わせる念入りな調査で、真理亜と守のものと確定しているのだと。まさかそこまでしているとは思いませんでしたし(そもそも、この世界にDNA鑑定の技術が残っていたとは)、それは早季も知らなかったようです。遺骨は野狐丸がでっち上げたもので、二人は無事逃げ延びて生きているのだと、そう願っていたであろう早季にとって、富子の言葉はショックだったでしょうね。


だとしたら誰が塩屋虻コロニーを手助けしたのか? その謎はうやむやなままでしたが、ここまで増大したコロニーを放置はできず、町は彼らの「駆除」を決定します。


そんな最中の祭りの夜。早季は真理亜たちの幻影に誘い寄せられるのでした。いつもしっかりした早季ですが、10年以上たった今もなお、真理亜たちと別れた悲しみは深く心に刻まれているのだなあ、と思わせるシーンでしたね。そんな早季を優しく包む覚も素敵です。中途半端な恋人未満を続けていないで、もう正式に付き合ってしまえば良いのに、というか、付き合っているようにしか見えません。


しかし、平和な夜もそこまで。塩屋虻コロニーが町を強襲します。まあ、「駆除」なんて人間側の理屈であって、される方はたまったものではないですからね。ここで初めて明かされる鏑木肆星の力と素顔! さすがに強大な呪力が評判なことはある活躍でした。それに意外なイケメンです。目の中に瞳が2つ? これが、彼が顔を隠す理由なのでしょうか。


一時的にバケネズミは退けたものの、武闘派のおじさん等が殺されるなど、人間側の被害も少なくはありません。いつも冷静な富子が珍しくまなじりを決していましたが、さて、ここで考えさせられるのが、これから物語はどのような方向に動くのかということです。単純に早季は人間側の一員として、多少歪みながらもなじみ深い町を守るのでしょうか。それとも、社会全体の何らかの変革を目指す立場になるのでしょうか? 残り話数もある程度少なくなって来ましたが、目を離せません。


ラスト、真理亜のモノローグ。富子の言葉が何らかの理由で嘘で、彼女がまた生きて登場してくれることを期待したいのですが、そう甘くはないのですかね。早季とともに、僕もショックなところではあります。