ソードアート・オンライン 第24話「鍍金の勇者」

世界樹の上部にたどり着いたキリトが見たのは、ただ枝葉が広がるだけの光景でした。


「何がグランドクエストだ、全部嘘じゃないか。許されないぞ!」


このへんは、生粋のゲーマーらしいセリフでしたね。システムでロックされ、どうあっても通れないようになっていた扉。そして、存在しなかった空中都市。ゲームとしては反則です。その理不尽に、一瞬アスナのことも忘れて怒ってしまったのでしょう。気持ちは分かる気がします。


気を取り直してアスナのもとに駆けつけるキリトとユイ。そして、そこで妖精王オベイロンこと須郷との最後の戦いの時を迎えるのでした。


ただ、一応ラスボス戦なのに、どうも盛り上がりに欠けた感は否めません。フェアリィ・ダンス編の最初から心配されたことですが、須郷ではラスボスとして役者不足というものです。ただの変態ぶりだけが強調されてしまって、まあ、視聴者の憎しみを買うという意味では感情移入に貢献したとも言えますが、どうもねえ……。


そして、キリトが結局は無敵に過ぎたということも不満といえば不満。実は今回のサブタイトルが「鍍金の勇者」ということで、期待してたんですけどね。キリトがこれまで英雄でいられたのも、結局は仮想世界のパラメータが優れていたからに過ぎないということ。その限界をもうちょっと描いてもらえるのかと。多少はそんな流れもありましたが、短すぎてあまりうまく表現できているようには見えなかったです。もしかしたら原作ではもっと細かく書かれていたのかもしれませんけどね。


ああそうだ、アスナの華麗な剣舞が見られなかったのも残念でした。しょうがないですが、今回は守られるだけになっちゃいましたねえ。まあ時には古典的なお姫様役も良いですか。


ともあれ、次回はラスト。現実世界での綺麗な着地を期待しています。