ソードアート・オンライン 第18話「世界樹へ」

今回はなかなか面白かった。大きな事件が起きるでもないつなぎの回なのですが、それゆえに細かいところが結構きっちり書かれていたかなと。


まずは、直葉がVRMMOに手を出した理由から。言わば愛する兄の「仇」とも言える存在なのですから、プレイする気になったのが疑問だったのですが、兄がハマりこんだ世界だからこそ見てみたかったということですね。なるほど。まあ、そうは言っても良く親が許したよなあ、と思ってしまいますが。


また、中学校ではレコンならぬ長田くんに「リーファちゃん」と呼ばれて怒るのもなかなか楽しいシーンでした。確かに現実世界でその呼び名はちょっと痛いかも。しかし、「直葉ちゃん」すら許さず「桐ケ谷さん」でないとダメかあ……。のちにユイが


「あの人の感情は理解できます。好きなんですね、リーファさんのこと」


と指摘するのを否定していなかったことから、直葉自身も彼の気持ちは一応了解しているのでしょうが、この様子だと先は厳しいですねえ。頑張れ、長田君と言いたくなります。


ともあれ、世界樹を目指して旅立つことになったキリトとリーファ。しかし、旅立つ前にシグルド達が文句をつけてきます。どうしてこの作品ではこうした困った人が多いのでしょうかねえ……。気になったのは、スプリガンがどうのこうのといった、種族差別的な発言が目立った点。以前からのリーファの説明を聞いても、どうもこの世界では種族間の対立が激しいようです。


ただ、実際のファンタジー世界ならこういうこともありましょうが、アルヴヘイムはあくまでゲーム。種族がどうのと言ってもログアウトすれば結局みんな人間じゃないか、と言いたくなっちゃいますね。ネタとして言っているのならまだしも、本気で差別感情を持っているのだとしたら、ずいぶんと歪んだ話です。領地を捨てた「レネゲイド」が蔑まれるというのも、なんか暗い設定ですよねえ。


もっとも、あの須郷がゲームのデザインまでしているのだとしたら、その歪みっぷりもある意味納得ではあります。今回もますます嫌らしさを出してました、須郷。彼が卑劣であるだけに、せっかくのアスナの出番も暗い顔ばかりで残念というものです。ただ、彼女が檻の解除パスワードを覚えていくシーンはなかなか見ものでした。直接見ると視界が妨害されるので、反射で確認というのが面白い。……まあ、管理者ならもっとマシなセキュリティにすれば良いのに、と言ってしまえばそれまでではありますが。


キリトがそのままの名前でログインしているのにまったく気づいていないところを見ると、油断体質な人なんだろうなあ、とますます小者っぷりが際立つところでありました。


須郷の話で終わるのもなんですので、もう一言。


「そういえば、なんであなたはキリトくんのことをパパって呼ぶの? もしかして、その、彼がそういう設定にしたの?」


たしかに、ここは気になりますよね(笑)。リーファが訊ねたのももっともです。ユイの答えで”疑い”は晴れた、のかな?