あの夏で待ってる 第12話「あの夏で待ってる。」

たどり着いた風景とお別れ。忘れられない夏との、未完成のフィルム。そして年月は過ぎて、残された映画はヒロインの笑顔で締め。


まあMIBのご登場はさすがにはっちゃけすぎな気もしましたが、せつなくも温かい、良いラストでした。別れて終わりではなく、あっさりと再会するでもない、かと言って、中途半端な「視聴者に任せる」でもない、ちゃんと「イチカは戻ってきたのだな」と信じさせてくれる締めでしたね。お姉ちゃんのおみやげがこういうふうに生きてくるとは。


全体的には、ラブコメの佳作という評価となりましょう。決して大作とか、語り継がれる傑作とか、そういうわけではなかったと思いますが、小粒でもキラリと光る一品。最初からその路線を狙って、見事にまとめあげられていたと思います。途中の感想でも書きましたが、ベテランスタッフらしい技を感じました。反面、「どこかで見たような」感も強く、今作ならではという特徴には欠けましたかねえ……。