輪るピングドラム 第9話「氷の世界」

素晴らしく引き込まれるエピソードでした。ここのところ晶馬と苹果のお話が中心で、進んではいるもののイマイチ停滞感があったのですが、それが一気に払拭された気がします。


あの運命の日に陽毬が誘われた不思議な空間。深く心の奥に分け入っていくような図書館とその司書。どこまでが本当でどこまでが夢なのか。幻想的な空間の描写が見事でした。3号が蹴ったら裏返るエレベーターのボタン盤が素敵です。そして明かされていく陽毬の過去もなかなか衝撃的。アイドルを目指していた陽毬と友人たちとの友情。しかし何が起こったか、陽毬は学校を去り、トリプルHはダブルHとなってしまったのでした。


司書の問い掛けに、やや強ばりつつもしっかりと答えていく陽毬の表情が印象的。ヒロインのはずなのに、これまで出番が非常に少なく、「良い子なんだな」くらいのイメージしか持ちませんでしたが、今回で「こんな子なのか」という意外な面も見えてきました。これからは彼女の出番も増えてくるのでしょう。


結局あのペンギン帽はなんなのか、世界の至る所とは、そして陽毬の運命の人とは? 謎は増えつつ晶馬の事故も気になります。