「医龍 25」
- 作者: 乃木坂太郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/02/26
- メディア: コミック
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評判を聞いたので挑戦。全然前知識はなかったのですが(さすがに医療ものというのは分かりましたが)、期待通り、いや、期待以上の傑作でした。さすが人気になるだけはあって素晴らしかったです。
主人公の朝田が天才外科医という時点で、「ははあ、ブラックジャックのような凄腕医師が日本医療界の問題点を暴く的な展開だろうか」と想像したのですが、さにあらず。たしかに序盤は多少そんな雰囲気も見受けられたのですが、途中からはキャラクター一人一人が信念を持ち、あるいは強さと弱さを抱え、成長したり挫折したりしていく人間ドラマが濃厚に描かれていきました。
病院を舞台にした政治劇というとどうしてもドロドロ陰鬱になってしまいそうなものですが、そこは朝田のひょうひょうとした天才ぶりと、もう一人の主人公とも言える研修医・伊集院の奮闘で必要以上に感じさせません。
なにより感嘆するのは、25巻という長さながら、中だるみを一切感じさせないことです。夜に読むと、次が読みたくてたまらず寝不足になってしまう恐れがありますね(というか寝不足になりました)。まさに、読ませるストーリー。
これほどの作品が出てくるわけですから、日本の漫画界、まだまだすごいものだなあと思ったしだいです。