チャップマンと幻の剛球投手
・チャップマン、171キロ出た!…スピードガン導入以降最速(スポーツ報知)
171キロとは! ウサイン・ボルトが9秒58を出したときのような衝撃です。まさにケタ違いのスピード。
日本では、左腕で140キロ出せればそこそこのプロ選手としてやっていけるでしょう(もちろん他の技術も必要ですが)。150キロ出せれば、もう速球を大いに売り物にして良いレベルです。今だと誰がいますかね、チェン、小椋、雄星あたりも入れられるでしょうか……。しかし、そんなレベルを20キロも30キロも飛び越える怪物。世界は広いです。
この170キロ台という数字を見て、僕が思い出したのはスティーヴ・ダルコウスキーの逸話でした。ダルコウスキーは50年代から60年代にかけてマイナーリーグに所属した選手で、一説には最高177キロもの速球を誇りながら、制球難のためにメジャーに昇格できなかったという伝説の投手。とはいえ、当時はスピードガン測定もなかったので、実際の球速はわかりません。
僕は「剛球投手ではあったんだろうけど、さすがに177キロなんて尾ひれが付き過ぎだろう」と思ってました。ですが、こうして現に170キロ台の速球を見せられると、完全に嘘とは言い切れなくなってきます。いやそれでも177というのは無茶に思えますが、ほんとに170キロ出したことがあるのかもしれません。
温故知新ならぬ、「新しきを訪ねて故きを知る」と言いますか、野球のロマンを感じます。雄星も大石も、最高155キロなんて飛び越えて、目指せ160キロ! 170キロとまでは言いませんので。