フラクタル 第9話「追いつめられて」

そろそろアニメが恋しくなっていただけに、見られてうれしいフラクタルです。どうやら予定通り放送できるようで、一安心ですかね。ただ、その出来栄えが安心かというと、予断を許さなさい感じで。


今回も作画が低調。クレインたちの顔が崩れ気味で困ります。しかし、それを抜きにしても、物語の展開にいまいちひかれません。まず、当初から懸念していたように、悪役であるはずの僧院側に魅力が感じられないのが痛い。祭司長もまた「フリュネ」であることには驚きましたが、それによっていよいよバローが親玉という構図になってしまい、迫力不足があらわとなっています。僧院には他に人材がいないのでしょうかねえ?


また、反面でロストミレニアム側に感情移入できるほどの描写が積まれているわけでもなく。もちろん、旅を通じてグラニッツメンバーにはそれなりに親しみは湧きましたが、彼らの思想そのものを肯定すべきかどうかは宙ぶらりんになっている状態です。以前クレインが「ただのテロリストじゃないか。」と言った時には、その点の深化に期待したのですけどね。まだ可能性はありますが、いかんせん残り2話では時間が……。


ネッサが相変わらず元気で可愛いのは救い。彼女の心とフリュネの体が一つになるとフラクタルが再起動するとか、いまいち理解しにくい設定ではありましたが、3人が穏やかなひとときを過ごし、歌が流れるシーンは良かったです。尺の足りなさが色々響いている印象はありますが、ラストスパートを決めて欲しいところ。