フラクタル 第3話「グラニッツの村」

面白くなってきました。


へっぽこ怪盗集団かと思いきや、実は結構な反体制組織だったグラニッツ。クレインたちが連れて行かれたのは、フラクタルによる恩恵を拒否し、あえてヴィンテージな自給自足で暮らそうとする村でした。アーミッシュを連想します。


ラニッツの村人には、クレインのこれまでの街には無い賑わいや味わいがありました。ただ、「文明支配を嫌ってスローライフ」というのはそれ自体結構ありがちな主張であり、果たしてグラニッツ=ロストミレニアムの主張を今作がそのまま是とするのか、はたまた「訳の分からない意地張っちゃって」というクレインの言葉も一理あるとするのか。そのへんのせめぎ合いが今後の見どころになるのでしょう。


……と、思っていたんですが。


星祭りの襲撃で展開はそれどころじゃなく加速。ここまでの雰囲気から、いきなり銃撃飛び交い死傷者多数の惨劇は衝撃でした。明らかに洗脳によって成り立っているフラクタルシステム、さらに僧院の強引な武力反撃を見せられては、グラニッツ側の言い分に説得力があります。ただ、このまま「グラニッツが正しくて僧院が悪」みたいになると、なんだかあっさり反体制テロに加担するようで、ちょっと居心地が悪いかも。僧院側の事情や信念も描いて欲しいと思いますね。


混乱の中にあらわれたフリュネ。そして彼女を姉と呼ぶネッサのオリジナルの人。前回の感想で「ネッサに本体がいるような気がしない」みたいなことを書いたんですが、普通に出てきましたか。こんな引きではもう次回を楽しみにするしかないです。


それにしても、超科学であるはずのフラクタルシステムも結局宗教の形をまとうとは。人間は本能的に宗教を求め、統治者はその信仰心を操ることが重要である、ということでしょうか。