屍鬼 第22話「蔡蒐話」

神に祈る沙子。無情に殺される恵。辰巳と共に消えることを選んだ夏野。そして神の救いも罪も否定し、ただ沙子を助け、生き延びようとする静信。


どれもこれも重い結末で、簡単には語りきれないものがあります。ただ、その中でも静信の行動はやはり驚きましたね。沙子を救うにしても、そのために大川を殺してしまうとは。直接加害者になることは無いと思ってましたが、本当にそれで良かったのか? いや、沙子が仮に人間であったとしたら、暴漢から守った正当防衛ということになるのか……。静信を全否定はできませんが、どうも彼の目指すところは分かりにくい気もします。


やがて村は火に消えてしまう。多大な犠牲者を出したこの戦いはなんだったのか。そして村人たちは、静信と沙子はこれからどう生きていくのか。やるせなさの残るラストでしたが、かおりと昭が無事だったのは一服の清涼剤。どうやら夏野父も立ち直ったようで、少しは戦った甲斐もあったと思いたいところです。


重くシリアスな原作に堂々挑んだ、良いアニメ化だったと思います。