さらば細川

FA細川の入団決定!4年最大8億円…ソフトバンク(スポーツ報知)



ということで、正式に細川の移籍が決まってしまいましたので、惜別記事を少々。


2001年ドラフト自由枠で西武に入団。中央球界では無名の素材型捕手に、「下位でも取れたんじゃないの?」なんて声もありましたが、「自由枠」という箔がついていたからこそ、「伊東の後継者に」という首脳陣の期待も高く、我慢して使われたのでしょう。


04年には日本一も経験しましたが、本格的な飛躍は06年。この年は開幕を高卒ルーキーの炭谷銀仁朗に奪われるという屈辱を味わいましたが、送球のコツをつかみ、終わってみれば盗塁阻止率1位。一流捕手の道を歩み始めました。そして07、08年は2割3分台という(細川にしては)高い打率と二桁本塁打を記録。WBCの候補にも名前があがるまでになりました。


ただ、今にして思うと細川が細川らしく輝いたのは結局その3年間だけであるような気もします。去年と今年は故障と不振に苦しみ、精彩を欠きました。せっかく育ったところで移籍とは、細川に限らずFAの悲しいところですが、育成期間の長いキャッチャーには特に感じますね。


細川の魅力は守備があげられるでしょうが、打撃もなかなか楽しいものがあります。普段は三振ばかりなのに、バントは上手。たまに当たれば一発長打。おまけに年に数回好調期があり、その時は主砲ばりに打ちまくる。なんというか、キャラの立った打撃術の持ち主。好調期の猛打を見ると、なぜ普段打てないのか不思議になるのですが、来年ホークスファンも同じ気持ちを味わうことになるでしょうか。


正直、今年細川がいなくなるとは予想していませんでした。自分でも意外なほど「寂しい」という気持ちが湧いてこないのは、まだ実感が無いからかもしれません。来季ソフトバンク戦でマスクをかぶる細川を見るとき、どういう感慨が湧くか。そしてまたそのとき西武のマスクをかぶっているのは銀仁朗か上本か……。今から、対戦が楽しみになってくるようです。