俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第8話「俺の妹がこんなにアニメ化なわけがない」

前回のクリスマスからさて、そろそろ小説執筆中かと思いきや、


なんと、もうベストセラーになってました。


しかもアニメ化の話まで!? いやいや、いくらなんでも話が飛びすぎというか、それこそ「そんなうまくいくわけがない」だろうと思ってしまいましたよ。ううむ……、前回ラストで湧いたアイデアがよほど良いものだったのでしょうか。それにしたってリアリティに欠けるような。


アニメの打ち合わせシーンも、作者が中学生だったら親が同席するんじゃないかとか、黒猫はそこは本名で名乗ったほうが良いんじゃないかとか気になってしまい、Aパートはいまいち入り込めないものがありました。


しかし。


Bパート、黒猫と京介の演説は、今作のこれまでの言葉の中でも一番良かったと思います。どんなに妬ましくても、面白くないと思っても、


「だけどね、それはそれよ」
「このままじゃ俺の妹はアニメに、大好きなものに幻滅しちまうんだよ。それって、あんたらが今まで頑張ってきたことを、無駄にすることじゃねえか」


ただ桐乃のためというだけではなく、プロの矜持にも訴えかける、胸を打つ演説だったと思います。



文法や展開はともあれ、彼女が一冊、それなりに分厚い小説を書き上げたのは事実(絵師さんとキャッチコピーのためもあって、なかなか面白そうに見えますね)。学校も仕事も部活もある中で、京介が言うようにすごい努力をしたのでしょう。


でも、周囲の気持ちも分かります。「私だって、何年も勉強して投稿してきたのに……」 黒猫の言葉も重い。彼女は今後、桐乃と付き合うのが負担になってくるのではないかとすら、心配してしまいます。


なんだか上手くまとまらない感想になってしまいましたが、桐乃がとんとん拍子で成功していくので、どっちかというと置いてかれる気持ちのほうが伝わってくるような回でありました。



ところで、桐乃の文章とあの絵柄なら、女性読者も結構つきそうな気がするんですが、そうでも無いんですかね。雷撃文庫自体が男性読者が多いというのはあるんでしょうが。でも、最近の流れからして、女の子同士の姉妹物でも十分いけると思いますよ。むしろ男キャラ出すよりも斬新で良いんじゃないかと。