俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第1話「俺が妹と恋をするわけがない」

原作未読です。家ではほとんど会話も交わさないという、結構実際にありそうな兄・京介と妹・桐乃の関係が、ある日、一枚のDVDから変化することに……。


いつの間にやら「妹と言えば兄を好きなもの」という妙な公式が出来上がってしまったアニメ・ゲーム界においては、そろそろ反動が来るのも自然な流れでありましょうか。兄に対してツーンと冷ややかな(ツンデレではなくて)妹キャラはなかなか新鮮でした。ただ、その妹がオタク趣味というのは、リアルとファンタジーの間でやや中途半端な感も。まあ、そんな要素がないとお話にならないのも確かですが。


桐乃はモデルをやるほどの可愛らしさですし、展開的にも人気が出るのはうなずける作りでしたが、いくつか気になった点もあります。物語上の都合とはいえ、「オタク」という存在を露骨に侮蔑する両親ですとか(その点以外は良い両親ぽかったですが……)、京介が挨拶しても無視する桐乃の態度ですとか。


そしてなにより、中学生がエロゲーやっちゃいかんでしょ、というのが一番引っかかるところで。京介も「だったらお前の勝手じゃん」などと言わずにそこは止めとけと言いたいです。個人的にこの手の年齢制限は結構律儀に守る性質なので、いささか許容しにくいものがありました。全年齢版でも話は成り立ったと思いますけどねえ。


それと、作中でも指摘されてましたが、ゲームが男性向けなんですよね。実際中学生女子がやって楽しいのだろうか? という疑問はぬぐえませんでした。今回は「しょうがないじゃん。いつの間にか好きになってたんだもん」で通してましたが、説得力としてはちょっと弱い気がします。もちろん、世の中には実際にそういう人もいるのかもしれませんが……。今後、その点のもうちょっと深い切りこみを期待。


魅力も引っかかる点もそれぞれあって、視聴継続すべきかどうか、悩むところです。


なお、本作に関しては「『俺妹』にエロゲメーカー協力問題」の論点整理(平和の温故知新)」という興味深い記事がありました。


たとえるなら、未成年の飲酒シーンでお酒メーカーが「パッケージ協力」として名前を出してしまったようなものですかね。すごく悪い、というほどのことでは無いにしても、上で述べた「未成年プレイに注意が出ない」こととあいまって、「脇が甘いなあ」という印象を受けてしまうのは確かです。