閃光のナイトレイド 第13話「せめて希望のかけらを」

良い最終回だったと思います。最後までやや淡々と進んだ印象ですが、ストーリーは結構上手くまとまりました。振り返ってみればこの地味さは作品のカラーにあっていたのかもしれません。もっとも、超能力者によるバトルとか、飛行機での戦いとか、やってることは結構派手なので、狙って地味に抑えたのか、盛り上げそこなったのか、ちょっと判断しがたかったりもします。


「多国籍の上海に爆弾を落としてこそ、多くの人に悲劇を認識させることが出来る」 そう豪語した勲も、内心では迷っていました。雪菜にその迷いを見抜かれ、静音には拒否され。世界平和を志した男は、妹一人を守って死んでいきます。その最期が、不幸だけではなかったと思いたいです。


結局桜井は軍の二重スパイみたいな役割だったのですかね。勲を泳がせて原爆を開発させ、その時点で接収しようという。憶測は出来ますが、確定するには材料不足かな。


そして2年後の新京。雪菜と風蘭の再会から、葵の下手なヴァイオリンの音が聞こえてきたというところで、軍靴の音にかき消されるという演出が決まっていました。それでも、未来が預言のとおりになるとは限らないというかすかな希望を残しての終幕。なかなか良かったです。


1930年代前半の上海、満州というのはデリケートな舞台設定でしたが、興味深く見せてくれました。ストーリーも、当初は単純な超能力部隊ものかと思いきや、意外にも本格的に歴史にからませ、見ごたえがありました。ただまあ、全体的にやや浅いというか、ちょっとおっかなびっくりな雰囲気も感じちゃいましたけどね。あまり深く大胆に描くと、反発を招きかねないところがあったのかも知れず、難しいところだったのでしょうが……。


ともあれ、スタッフの皆様お疲れ様でした。


……ところで、帽子をかぶった雪菜が誰かに似てるなあ、と思ってたんですが、よく考えると蒼星石っぽいのでした。自分で納得。