電脳コイル 第22話「最後のコイル」 第23話「かなえられた願い」

いよいよクライマックス。めくるめく展開、濃密な情報に頭がついていってませんが、とにかく面白いことは間違いありません。


設定話に触れていくとキリがなくなりそうなので、今回はあくまでヤサコとイサコに注目して書いていきたいと思います。とにかくこの2話、今まで近づいたり離れたりを繰り返してきた二人がついに協力して行動する。それだけでも感涙物でしたよ。


22話ではまず、弱気になったイサコが印象的。「兄の死」を知らされ、自分のやってきたことが無意味であったという衝撃が、彼女を落ち込ませていました。涙が彼女を普通の小学6年生に見せて(いや、実際小6なんですが)、切ないです。しかしそれでも、デンスケの不調を知らされれば何とかしてやろうと踏ん張る強さと優しさ。さすがだなあ。


そして23話での名セリフ。


「お前とは、友達になれたのかどうか、良く分からない。でも、こんなに近くまで来てくれた他人は、お前が初めてだ」


なんかジーンとしますねえ。ただし、このあとイサコは、ヤサコと自分では「道が違う」とも言っています。続く言葉は、人間の相互理解への努力を訴えて感動的ですが、イサコのヤサコに対する気持ちとしてはいまいち不明瞭感もありました。


「でも、ゆっくりと丁寧に探せば隔たりをつなぐ道が見つかるかもしれない」


これがイサコの希望であると受け取りたいんですけどね。


さて、なんだかイサコのことばかりになってしまいましたが、ヤサコも暗号使いになったり、懸命にエレベータを抜け出してイサコの救出に向かったりと見せ場十分でした。それになにより、色々あったイサコをきっちり助けて、ケガの手当をして、なおかつ話を聞いてあげようだなんて、度量が広いではありませんか。一見地味ですが、やっぱり主人公ですよね。



最後になりますが、「忘れ物を取りにいく」と守衛さんを騙した二人の演技が面白かった。ヤサコはまだしも、イサコの澄ました感じがなんともいえません。そりゃまあ、守衛さんから見れば二人は普通の女子小学生ですから、通すでしょうねえ。理由も自然すぎますし。