とある科学の超電磁砲 第10話「サイレント・マジョリティ」

レベルアッパーにより、念願の能力を手に入れたことが出来た佐天。風を起こす能力でしょうか? 美琴や黒子に比べればわずかな力でも、それは彼女にとって大きな喜びだったに違いありません。しかしその喜びもつかの間。友人の人生を奪ってしまったかもしれないという後悔と、自分も倒れてしまうという恐怖が、彼女を苦しめます。


で、ここで佐天をはげます初春の言葉がすばらしかったですねえ。


「力があっても無くても、佐天さんは佐天さんです。私の親友なんです。だから、そんな悲しいこと言わないで」


顔をぐしゃぐしゃにしながら、懸命に訴える初春の姿に、胸打たれるしかないです。


一方、美琴は反省気味。彼女がレベル5にまでなったのは、単に目の前のハードルを越したかったからだと。まあ、テストの点がよくなっていったら嬉しい、という感じの心理ですかね。「ハードルの前で立ち止まっちゃう人もいるんだね」とのことでしたが、ちょっと違う気もしました。佐天の場合はレベル0とされてしまったわけですから、そもそもハードルすら示されていない苦しさだったのではないかと。まあ、だからと言って美琴が分かってないとは思いませんけど。


レベルアッパーの正体は、音楽を通じて共感覚を刺激して脳波を操作。能力者同士を分散コンピューティングさせるようなもの、ですか。この理屈はSFチックでなかなか面白い。しかし犯人が木山先生っぽいのは驚きです。どうやら能力の向上というのはレベルアッパーの副作用、もしくはエサに過ぎないのであって、彼女の目的は能力者達を演算装置としてのなにか、のようですが……。何となくですが、それほど悪いことは考えていないような気もしますけどねえ。


いよいよ前半のクライマックスと言うことで大変盛り上がってきましたが、お医者さんが「それを調べるのは君たちの仕事だろ」と黒子達に投げるシーンは、相手が中学生ということを考えるとなんだかなあ、と思ってしまいました。やっぱりジャッジメントの設定は、今作のリアリティ的な弱点になってるかなあ……。それが無いと始まらないのも確かですが。