「ロッキー・ザ・ファイナル」

実は今まで一回も、ロッキーを観たことがありませんでした。ロッキー5から16年。いまさらのように作られた「ファイナル」に、当初は何の興味もありませんでした。しかし、ネットで意外な好評を見聞きし、レンタル。これが確かに良作でした。


スタローン60歳にして挑むロッキー。引退していたロッキーの現役復帰など、いくら映画とはいえ無茶苦茶だと先入観を持っておりましたが、見事に打ち返されました。鍛え上げられた渾身の筋肉と、「あきらめず、立ち上がれば勝利がある」という力強いテーマ。小手先の理屈を吹き飛ばす迫力のボクシングシーン。そして、映画を観たことはなくても誰もが知っている名曲、ロッキーのテーマが作品を彩ります。素晴らしい。


シリーズ作という事で、過去を振り返るシーンまではさすがについていきにくかったですが、「偉大な親」にプレッシャーを感じる息子を叱り、励ます場面は、ボクシングシーンとはまた違う感動でした。ロッキーって、もっと乱暴なイメージが(勝手に)あったんですが、人間としても魅力的な人物なんですね。経営するレストランもお客の評判は良さそうでしたし。


メイキングによると、ラストの試合は実際のボクシングの前に場所を借りて撮影したそうですが、大観衆はスタローンに対して「ロッキー! ロッキー!」と本物のスターボクサーに対するかのような声援だったとか。まさに30年をかけ、映画が現実と一体化した瞬間だったんでしょうね。