Phantom〜Requiem for the Phantom〜 第18話「対決」

第2幕のエンドってことになりますかね。さほど派手なアクションがあったわけではないのですが、原作者の虚淵玄さん脚本ということもあり、見ごたえ十分な仕上がりでした。


クロウディアとリズィ、そして玲二とエレンの人間模様。本作の魅力を十分に示した名シーンでありました。特に玲二とエレンの二人。生きることを放棄しようとした玲二ですが、エレンにとっては玲二が生き、過ごしていることが希望であり、玲二が自分を生かすためにつけてくれた傷こそが、支えであったんですね。


「あなたのいない世界に、私は生き残りたくない。」
「ここにまだ俺の約束が残っているなら、それだけは守りたい」


表面的なセリフではなく、これまでの二人が描かれているからこそ、その深い思いが伝わってきます。感動。


あと、話は変わりますがサイス=マスター。とことん悪役ではありますが、確実性よりも美学とスリルを重視する行動原理はなかなかに味があって好きです。あのひょうひょうとしたしゃべり方も素晴らしい。名悪役ですな。


……さすがに何も書かないのもどうかと思ったので、クロウディアについても。最後に海辺を走るシーンが、これまでの重荷を棄ててようやく自由になれたみたいで。切なくも美しいシーンでした。彼女はリズィを裏切りましたが、それでも友人だと思っていた。その友に撃たれたのは、彼女なりに納得のいく最後だったのではないでしょうか。もちろん、悔いは多くあったことでしょうけど……。