Phantom〜Requiem for the Phantom〜 第6話「大火」

「30分(厳密には25分弱ですが)があっという間」という感覚を毎回のように味合わせてくれるファントムです。


前回のエピソードはあれだけで完結かと思いきや、意外なことに続いてました。妻子を殺したインフェルノに屈せず、反撃を図るトニーに対し、大胆精緻な作戦で返り討ちにせんとするインフェルノ。ファントムのアクションシーンとサイス・マスターの存在感だけでも十分な見どころだったというのに、ラストのダークさはさらに衝撃でありました。忠実なトニーの子分と思われたアントンと、人の良さそうな警官に見えたガントが裏でインフェルノに飼いならされていたとは。


スタッフロールで知りましたが、脚本は原作のシナリオライターであり、近年はFate/Zeroも大変面白かった虚淵玄さんだったんですねえ。この重さも虚淵さんならではと、納得させられてしまいました。最初にアントンが「すげぇ、最高に冴えた手だ」なんて言い出したときには、どうも安っぽいセリフだなあ、などと不安になってしまったものですが、それすら伏線。恐れ入りました。


ところで、サイス・マスター。アインの写真を撮るシーンでは、彼が独自の美意識ゆえに世界を変えようとしていることが伝わってきました。ただの変人に終わらず、悪役キャラとして深みが出てましたよ。こういうキャラがいると物語がグッと締まります。