機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン 第25話「再生」

さて、終わっちゃいましたねえ。最終決戦だけあって、刹那とリボンズの戦いは見ごたえがありました。最後はそれぞれ機体を乗り換えての斬りあい。どちらもデザインがファーストガンダムに似ていたのは偶然ではないでしょうね。もっとも、本作がそのままファーストにつながるわけでもないでしょうが。


ルイスの病室での沙慈の言葉がなかなかにしんみり。「僕たちは無自覚ではいられないと思う。(中略) 考える必要があるんだ、本当に、平和を求めるなら」。この辺が本作のまとめの言葉と考えてもよいのでしょう。


それにしても、意外だったのは、ラストでソレスタルビーイングが普通に存続していたことですね。OPを見る限り、ラストは分かれていくような描写でしたが、あれはミスリーディングだったんでしょうか。あと、やっぱり生きてたコーラサワー。……まあいいか。



で、総評なんですが、サンライズの、さらには日本を代表するアニメタイトルだけあって、並の作品よりは確実に面白かったと思います。ただ、全体としてみると「なんだか失敗してる気がする」という感想を述べざるを得ないところで。特に2期については、「水島監督と黒田さんは、本当にこういう展開にしたかったんだろうか?」という疑問さえ感じてしまいました。


そもそも、ガンダム00で当初魅力的に感じられたのは、各国の正義がせめぎあう中、武力介入で平和を作り出そうという矛盾した理念と、リアリティだったと思うんですよね。「西暦」という現実の暦を舞台として設定したのも、その意気込みの現われだと思っていたんですが、その視点が、なぜか途中から急に薄くなってしまったように思われます。


何より、イノベイターという集団に思い切り悪役を割り当ててしまったというのが納得がいきません。これでイノベイター側にもっと説得力のある思想と能力があったのならまだしもなのですが、皆さんご覧の通り、単に独裁強権政治を振りかざしただけで、最後までどこがすごいのか良く分からずに終わってしまいました。彼らが独裁でも善政をしいていれば、むしろテーマが深まったと思うのですが……。


そしてもう一つ不満だったのが、ソレスタルビーイングの出自がはっきりしなかったことです。明らかにオーバーテクノロジーな機体と、ヴェーダというスーパーコンピュータを擁する組織。僕はまた、宇宙知的生命体とのコンタクトとか、未来からのテクノロジータイムスリップとかそういう線で考えていたのですが、結局何にも説明は無しで、拍子抜けでした。そもそも、200年前の人物であるイオリアの計画に、双方とも最後までとらわれていたと言うのが、なんだか主体性のない話ではありませんか?


他にも、マリナの扱いがあれっていうのは、いくらなんでも当初の構想とは外れているんじゃないか、と思わせたりもするんですけどね。何らかの事情で、途中で展開を軌道変更した、というのはうがちすぎでしょうか。


期待値がかなり高かっただけに、ちょっと残念な作品でありました。