「サイコロジカル」

サイコロジカル 上 (講談社文庫 に 32-4 西尾維新文庫)

サイコロジカル 上 (講談社文庫 に 32-4 西尾維新文庫)

サイコロジカル 下 (講談社文庫 に 32-5 西尾維新文庫)

サイコロジカル 下 (講談社文庫 に 32-5 西尾維新文庫)


西尾維新さんの戯言シリーズも順調に読み進めて、上下巻の大作、サイコロジカルまで読み終わりました。今作はシリーズのメインヒロイン、のような気がする玖渚友が久々にいーちゃんと一緒で、それだけで気分が盛り上がります。もっとも、彼女はほとんど何もしませんでしたが。「天才」は多くいるのに、歪んではいるけど凡人に近いいーちゃんが結局探偵役をすることになるのが皮肉な構図です。上巻まではいまいち展開しませんでしたが、ラストは今シリーズで一番うならされたりもしましたよ。


さて、今シリーズを特徴付けているのが語り部いーちゃんこと「僕」な訳ですが、本人が自分を低く評価しているのはわかりますが、今のところ一応は読者の感情移入できる程度には収まっていますね(「クビシメロマンチスト」での巫女子への冷たさはちょっとゾクッときましたが)。最初から長期的伏線を張っているようなので、今後、彼の自己評価がなぜああなってしまったのか、その辺が語られるのを待ちます。