コードギアス 反逆のルルーシュR2 第25話「Re;」

終わった。終わってしまいました……。


見終えてしばし無言。圧倒されました。「感動した」とか、「面白い」とか、「悲しい」とか、どれも違うように思える感情。あえて言えば「ゼロ・レクイエム」の名の通り鎮魂の気持ちでしょうか。それが痛切で、重いです。


黒の騎士団に裏切られてからのルルーシュは、絶対無私の存在であったのですね。ただ自らの命を捨てるのみならず、それによって世界を幸福な方向に変えようという贖罪。だからスザクは従ったし、ナナリーも彼を止めることはできなかった。むしろルルーシュは彼女の強さを確認したから、安心して突き進むことができた。皮肉です。


ルルーシュの名は、今後悪逆非道の象徴として語り継がれることになるのでしょう。本人が言っていたごとく、ユフィの悪名を塗り替えるように。そして、スザクは英雄ゼロの仮面を被り続けるという重荷を負い、生きていく。あまりに辛い結末です。唯一の救いは、ナナリーやカレンにルルーシュの思いが伝わったことで。本当に、それだけが良かった(もしかしたら神楽耶あたりも気づいているかもしれませんが)。でも、最後に「愛しています、お兄様」というナナリーの声が本当に悲痛なんだなあ……。結局、ギアスの力を持っても、ルルーシュの最初の願いは叶いませんでした。これが、一つの教訓でもあるのですかね。


ラスト。C.C.がルルーシュに語りかける。最近見なかったので、「Cの世界」の住人と話すことができるという彼女の設定を半分忘れていましたが、これも計算のうちでしょうか。独り言か、それとも本当にルルーシュと話しているのか。極上の余韻をうみ、本作を締めるにふさわしい情景でありました。お見事でした。



僕がこのシリーズを見始めたのは今年に入ってからで、評判は聞いていましたが、リアルタイムで見逃したこともあって、ちょっと敬遠していました。が、ひとたび見ると、その期待以上の面白さに鷲づかみにされましたね。魅力的なキャラクターと設定、高密度ハイスピードに畳み掛ける展開。予定調和に留まらず、縦横無尽に駆けるストーリー。


第1期はご存知の通り中途半端な終わり方で、今期もきちんと終わるのかどうか、ちょっと不安も持っていたのですが、これだけ風呂敷を広げて、そこから一気呵成に折りたたむとは、圧巻でした。


数年に1度、もしかしたら10年に1度出るかどうかレベルの娯楽大作であったと言えましょう。何も考えずに見て、素直に「面白い」と感じさせた逸品でした。製作者の皆様、お疲れ様でした。



ああしかし、ルルーシュとナナリーの甘甘な未来図が見られないとはなあ……(嘆息)