コードギアス 反逆のルルーシュR2 第19話「裏切り」

縮尺と遠近法の関係でちょっと分かりにくかったですが、やはり数千万人単位の犠牲者を出してしまっていた前回の戦い。助かったミレイやリヴァルまで、今後放射能障害に苦しんで死んでいくようなことがあろうものなら、反核アニメとしては高い評価になるでしょうね。核兵器を使っても、放射能被害まで描写しないものは結構あったりしますし。……ただまあ、そんな展開はとっても嫌なので、フレイヤ核兵器ではなく、放射性廃棄物は無いということにしていただきたいものです。せめて。


広島の原爆犠牲者は約20万人。その投下パイロットは最後まで正当性を訴えていましたが、そう思わないと自らの心を保てないという悲しい重荷だったのでしょう。数の大小という問題ではないでしょうが、ニーナもスザクも、その100倍もの人を殺してしまった罪に耐えられるのでしょうか。とても、厳しい道に思えます。


サブタイトル「裏切り」ということで誰が裏切るのかと思いきや、ゼロが黒の騎士団全体に裏切られるとは……。いや、騎士団にとってはゼロこそが裏切ったのか。思い描いていたゼロの正体が明かされる時が、このような形で来てしまいましたか。カレンをも突き放して、ルルーシュは全ての理解者を失ってしまうのかと危惧しましたが、最後に「カレン、君も生きろ」という声が彼女に届いてくれたのだけが光明でした。またいつか再会を。願わくば騎士団の面々とも分かり合えてほしいものですが、そこまで望むのは贅沢ですかね……。


「兄さんは嘘つきだから」


ロロはカレンよりもよほどルルーシュのことを分かっていたのかもしれません。最後まで「善人」ではなく、犯した罪を許されるわけでもないけれど、それでも切ない最後でした。単純に良いとも悪いとも言えない生き様のキャラになった。この描き方はうまかったと思います。