「超ひも理論を疑う―「見えない次元」はどこまで物理学か?」

超ひも理論を疑う―「見えない次元」はどこまで物理学か?

超ひも理論を疑う―「見えない次元」はどこまで物理学か?

世界はハープで満ちている……とは言い切れないという話。


名前はインパクトがあるので割と有名な超ひも理論。重力や核力等の世界に存在する力を統合し、説明してくれるというすごいものらしいのですが、その実相となるとさっぱり分からないというのが正直なところ。どうもイメージ先行という感じです。科学者である著者は、超ひも理論を否定はしないものの、「まだ鵜呑みにするほど信頼できない」と説きます。穏やかな筆致で書かれた素人に対する科学啓蒙書。



……の、はずではあるんですが。



スミマセン、お手上げです。途中まではまだ普通に読めるんですよ。アインシュタイン相対性理論の解説ですとか、よくある科学書風味です。しかしそこから先、ひも理論の説明に入ると、理解は至難の業です。余剰次元? ブレーンワールド? なんだそりゃ。もう11次元でも26次元でも持ってこい。


え〜、とにかく、良く分からないということが分かりました。超ひも理論というのが、説明するために説明を加えていって、数学的に整うように苦労した結果、次元を継ぎ足していったという雰囲気は伝わりましたよ。その苦労のはてに真理があるのか、はたまた机上の空論だけなのか、注目ではあります。



P.S 読んでから気づいたんですが、この著者「SF宇宙科学講座」の著者でもありました。フィクション作品を良く引用するところが似ていると思った。それは良いのですが、日本の読者にはなかなかついていけません。無理とは分かりつつも、日本アニメをもっと引用してほしいと言いたくなります。