「歴史が教えるマネーの理論」
- 作者: 飯田泰之
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/07/27
- メディア: 単行本
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なんでか知りませんがこういう経済的読みもの的な本が好きです。それはお金、経済というものが人間の社会・歴史と絡み合い、深い興味をそそるからかもしれません。経済学にあまたの理論理屈がありますが、どれが絶対に正解というものは無く、どれもそれなりにもっともらしかったりする。そんなところも楽しいです。
さて、本書は「ダメな議論」で知られる著者による(といっても僕は「ダメな議論」未読ですが)、経済理論を過去の歴史上に当てはめてみてどうだったかを検証し、語っていくという一冊です。まずは分かりやすくて説得力のある進め方はさすが。議論について本を書くだけありますね。
「お金の量が増えればインフレになる」という古典的な貨幣数量説はどこが正しく、どこが間違っていたのか。江戸時代の金融政策が意外なほど知的であったものの、あまり評価されないのはなぜかなど、興味深いテーマで読ませます。それだけに、もっと多彩に長く読ませてほしかったなあ。それだけが不満かと。
それにしても、やっぱりお金というものは不思議で面白いです。