機動戦士ガンダム00 第18話「悪意の矛先」

回を追うごとに面白くなっていきます。今回は燃えどころあり、悲劇ありと、見ごたえ十分の重いエピソードでありました。


もはや戦争根絶というよりも、力を手にしたものの傲岸な暴力にしか見えない行動を繰り返すトリニティ。それに全力で立ち向かうグラハムがまずかっこよい。戦死した部下に誓いを立て、あくまでフラッグをもってガンダムに立ち向かおうというその決意。そして実際に、スローネに対して一矢報いてみせる。素晴らしい動きでした。あそこで破壊したガンダムの機体部分を分析すれば、何がしかの情報が得られるんじゃないですかね。


ルイスと彼女の両親に残酷に訪れた悲劇。今回多分初登場だったと思うのですが、お父さんも良さそうな人だったのに、一瞬で、最後の言葉も無く消えてしまった。まさに「テロによる殺害」に他なりません。日本からスペインまでとんで駆けつけた沙慈は、結構ルイスに対する愛情が深いところを魅せてくれましたが、左前腕も失ってしまったルイスに覇気はなく。ああ、前回ラストで沙慈が大きく写っていたのはこのためだったのかと、悲しい気づきです。


とうとうトリニティの暴虐に我慢できなくなったのであろう刹那が立ち向かう。「エクシア、目標を駆逐する」 こういう決め言葉って、ここぞというときに燃えますよね。まあ、例によって刹那の独断専行ではないかという気もするのですが、ここで黙って様子見に徹しているようでは所詮ソレスタルビーイングプトレマイオス組の信念もその程度のものということになってしまいます。僕としては、刹那の行動は正しい、と言いたくなります。


もっとも、忘れてはならないのは、トリニティのみならず、初めから「武力による戦争根絶」というソレスタルビーイングの目的そのものが危ういということでしょう。ただトリニティと言う悪役を作り出して責任を負わせるのではなく、そのへんの進行も期待しています。