「時載りリンネ! 1 」

時載りリンネ!〈1〉はじまりの本 (角川スニーカー文庫)

時載りリンネ!〈1〉はじまりの本 (角川スニーカー文庫)

スニーカー大賞の奨励賞受賞作」ということで、「人気急上昇中」とかのコピーもついてました。本当に人気上昇中のためか、秋葉原の書店で見つけられなかったのですが、地元の本屋に普通にありました。そういうものです。


本を読むことで少しだけ時間を止めることのできる「時載り」の女の子、リンネがヒロインのファンタジックなストーリー。「時載り」が「特殊能力を持った人間」ではなく、あくまで「人間とは別の種族」(子どもはできるようですが)であって、普通の食事も必要としない辺りの設定はちょっと意外性がありましたね。


リンネの性格は(多くの人が感じるでしょうが)涼宮ハルヒを思い出させます。まあハルヒほど乱暴ではないですが。この物語の書き手であるという設定の主人公、久高もキョンをちょっと連想したり。あまり本を好きではないリンネですが、それでも種族の能力か、読書スピードは驚異的。暗記物は得意そうで、小説もたくさん読めて良いなあ。


文章力は安定感があり、読みにくいということはありません。評判になるだけはありますね。ただ個人的にはちょっとリンネを始め女の子達の言葉遣いが定型的(「だわ」とか「わよ」とかの多用)なのが気になりました。あとラストの締め方が、伏線はあったとはいえちょっとリンネから離れちゃった感があり、残念でした。


総合的には面白かったですし、続きが楽しみな作品です。