ef - a tale of memories. 第10話「I'm here」

何でしょうか、このやたらな傑作は。今回は今まで作品を引っ張っていた千尋と蓮治の出番が全く無いという意外なつくりでしたが、まったく問題なし。紘・みやこ・景パートの出来が素晴らしく、ぐいぐいとひっぱってくれました。


とにかく今回は思いました。「紘はいい男だ」と。京介は中途半端だと言っていましたし、実際そうだったのかもしれません。悩んだり、間違ったりすることもある等身大な姿を見せますが、それでも変にフラフラクヨクヨとしません。優子の助言もありましたが、景ときちんと話しをして、街じゅう周ってみやこを探し出して。


「うるせえよ、一人でべらべら語ってんじゃねーよ!」


言葉にすると乱暴なようですが、一人で深みにはまりがちなみやこに対して、ストレートに思いをぶつけることを選んだ紘。愛情というのともちょっと違う気がするんですが、なんでしょうね。でもやっぱり愛かな。


「俺のことは俺が考える。おまえだってそれでいいんだ!」
「俺はおまえに関わりたいんだ!」


ここまで、真っ直ぐに言い切った美少女アニメの男性キャラを、僕は寡聞にして思い出せなかったりするのです。みやこの見る目は正しかったですね。


今回後半は、8話に引き続いて動きの無い演出。ただ、減りゆくテレホンカードの数字と公衆電話の遠景が交互に映し出されるつくりで、なんと5分も持たせました。もちろん作画省エネの意図もあるのでしょうが、それでも全然ダレを感じさせず、むしろ動きの無い分、二人の言葉が強く入ってくる。見事に決まっていてうならされます。こういうところで力を溜めているおかげか、初回から今まで作画の崩れらしきところは一度も見たことがありませんし、力の入った作りはうれしいかぎりです。全部使ったテレホンカード。だんご大家族は頑張りました(笑)。


これで紘とみやこに関してはハッピーエンド? でも最後に出てきたフレーズ。「女の子は世界に一人」が意味深だなあ。ここでの女の子は千尋では泣く、みやこのことを指すのでしょうか……。



ところで、久々にミズキに出番がありました。悪気は無いながらも、紘のマンガをグサリ。でも結果的には紘の決意を後押しする形になりましたかね。