レ・ミゼラブル 少女コゼット 第46話「ジャヴェールの正義」

ジャンとジャヴェールの長い戦いにも、46話にしてついに終止符がうたれることになりました。ジャヴェールのことなので重症のマリウスを放っておいてジャンの逮捕に走らないかと心配でしたが、さすがにそこまで冷酷無情ではなかったようです。おとなしく一緒に馬車に乗り込んでいるのが意外と言えば意外でした。


道々語られるジャンのエピソード。単に「ミリエル司教に出会ったから」だけでは改心できない。その後あやまって少年のお金を盗んでしまい、そのことを痛切に悔いることで初めてミリエル司教の言葉の意味がわかったというこの述懐が深いです。ここまで言うからこそ、両親の経験があるジャヴェールに対しても説得力を持ったのでしょう。ジャンは自宅に戻り、詳しいことを結局話すことなくあっけなくコゼットとのお別れか、と思いきやジャヴェールの姿はそこにはなく。


「私は、行かなくても良くなったようだ」


はジャンらしからぬちょっと間の抜けたセリフでしたが、コゼットにとっても視聴者にとってもうれしいものでした。


一方のジャヴェールはジャンを逃がした自分を責め、さらにこれまで自分がとってきた行動が間違いであったと認められず苦悩します。おそらくジャヴェール自身も「もしかしたらやりすぎかもしれない」という思いが薄々あって、それを「法律」とか「正義」の意識で押さえていたのでしょうね。だからこそ押さえられなくなったときの反動は辛かったことでしょう。たくさんの冷や汗が、その苦悩を伝えてくるかのようでした。一端は橋から飛び降りそうにもなりましたが、朝日を見て、そして「人は変わることが出来る」というジャンの言葉を思い出して、思いとどまるという流れは良かったです。ここはジャヴェールが自殺しても物語的には不自然ではなく、もしかしたら原作はそうだったかもしれませんが、ジャンの言葉が生きるという意味では、やっぱり死なないで良かったと思いますね。


さて、久々に平和なラストでしたが、あと5話、最後の展開はどう来ますか。楽しみにいたします。