「ガンパレード・マーチ 山口防衛戦1〜4」
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面白かった。文句無く楽しめました。
最近はライトノベルにいまいち食指が伸びず、「ああ、自分もラノベの感覚が合わないような年になってしまったのか」と嘆いていましたが、「そういえばガンパレの小説オリジナル話が出ていたなあ。まああれなら外れはないだろう」くらいの気持ちで第一巻を買ってみたところ、これが期待以上。「外れない」どころか十分当たりの部類で、次々と読み進めてしまいました。
もはや「九州」から離れ、「5121小隊」の文字もタイトルから消えた榊ガンパレの世界。しかし、数多くのオリジナルキャラが、設定が、違和感も見せずに溶け込み、活躍してくれます。というより、もはやこの小説自体がオリジナルであって、ゲームとは別個独自の個性を確立したといっても良いでしょう。まあゲーム版のストーリーは薄めだったということもありますが。
奮闘むなしく九州を失った日本。「休戦期」を破り突如本州への侵攻を始めた幻獣たちの前に、いままた、人類の存亡をかけた決戦の火蓋が切られる! 悲壮かつ燃えるシチュエーションです。ややメンバー模様が替わったといえば実力健在の5121舞台に加え、荒波指令、岩田参謀、合田少尉、橋爪軍曹、紅陵女子α小隊といった面々がくりなす戦争模様に、手に汗握りましたよ。
ただこのガンパレ世界、いつも気になるんですが、人類のほとんど失っているわりには妙に文明が維持されすぎのような気がするんですよね。日本の食糧とか、一体どうやってもっているんでしょうか。その辺の経済社会的なところまでさらに深く書けたらすごいなと思うんですが。
後書きを読むと、榊さんもこの作品を愛しているということが伝わってきますね。続編の出そうな終わり方でしたから、次も楽しみにしてます。