魔法少女リリカルなのはStrikers 第26話「約束の空へ」

感無量の良い最終回でした。このシリーズは最終回は外しませんね。だからこその人気作でもあるのでしょう。はやての変身がなかったのはもうあきらめるとして、それ以外はこれまで詰め込まれてきたほとんど全ての要素を生かしてまとめてくれました。


閉じ込められた隊長たちを助けに教え子達が向かう、実に燃える展開です。AMFという設定、そしてスバルが戦闘機人であることとティアナのバイク操縦がこういう形で生きてくるとは、見事でした。出来ればスバルにはディバインバスターで決めて欲しい気もしましたが、良く考えればAMF下で使えるはずありませんでしたね。あとティアナに語るヴァイスもまたかっこよい。間違いなくStrikersにおける名脇役でした。


そして起動六課の解散。キャロの言うように意外とあっさりムードでしたが、はやてはきっと隊員全員に好かれていたでしょうから、二次会はかなり盛り上がると見ました。胴上げとかありそうだなあ。いや、ミッドチルダにそんな習慣があるかどうかはともかく。もっとも、フォワード隊の面々は二次会に無事参加できるかどうか怪しいですけどね。


最後に全力で模擬戦。……まあ、そうは言ってもさすがになのはたちは手加減をしてくれるはずだと信じたいですよ。なにせ前回があれなんで怖すぎる……ブルブル。それはともかく、桜の花散る中、感動的な場面でした。2クール積み重ねた思い出がよみがえる。出来れば作中の六課同様1年あればなお良かったのでしょうが、それでもこの重みはやはり1クールでは出せません。あんなこといわれたらそりゃみんな泣きますよ。見ているほうも泣けるんですから。うんうん、みんな良く頑張りました。ちょっとだけ「なのはとはやての故郷」として地球(というか日本)のことを思い出させてくれるのも良かったです。今シリーズ一度も地球を見てませんからねえ。


そしてエンディングへ。スバルとティアナは別れちゃったんですか。スバルはなのはともお別れなので寂しいでしょう。これもまた、最終回の余韻というもの。でもそれぞれの夢に向かって頑張る姿がやっぱり「なのは」で、この前向きな力強さがシリーズの色なんだと思います。希望して同部署配属のキャロとエリオも微笑ましいですが、エンディング内でルーテシアからキャロへの花の贈り物なんてストーリーを見せられてしまっては、もう感動するしかないです。うまいなあ……。


なのはさん、これが最後のセリフとなるのかな?


「さ〜て、それじゃ元気に、頑張っていくよっ!」


清清しく、どこまでも突き進む彼女は、やっぱり魅力的な主人公でしたね。




さて、まさかの第3期としてファンの期待と不安を受けて始まった今作。おそらくほとんどの人が「1期・2期には及ばなかった」と評することになると思います。欠点を指摘するのも簡単で、特に序盤の作画乱れや、多すぎるキャラ、詰め込みすぎた設定を2クールをもってしても消化しきれなかったことなどが主な点でしょうね。肝心の戦闘シーンのキレもどこか欠けていました。個人的には、エリオとキャロの話をもっと描いて欲しかったので(特にエリオはFプロジェクトと関係していただけに)、そこも残念だったかと。


ただこうした欠点の反面、「なのは世界を壊さず、正当に継承する」事に関しては、今作はしっかりと成功していたのではないかと思います。作画や構成に不満の出ることはあっても、キャラの描き方に対する不満(「このキャラならこんなことしない」とか)はありませんでした。10年後という難しい舞台を設定しながら、これは快挙といっても良いと思いますね。この辺は、さすが都築さんと感じました。


実は24話までは「意欲はあっても空回りした失敗作」に分類しようかと思っていたのですが、ラスト2話で思い切りリカバー。「荒削りながら魅力も十分だった佳作」ということになりました(笑)。やっぱり僕はこのシリーズが好きですし、ついつい「第4期も見たい」などと思えてきたりするのですよ。


ともあれスタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。



P.S 最終回記念に、なのは関連でちょくちょく拝見していたパズライズ日記さんにTBしてみます。