「最新 行動ファイナンス入門」

最新 行動ファイナンス入門

最新 行動ファイナンス入門

  • 作者: ジョン・R.ノフシンガー,John R. Nofsinger,大前恵一朗
  • 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
  • 発売日: 2002/08
  • メディア: 単行本
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最新と言っても02年発売なのでちょっと時間がたっています。その間行動ファイナンス理論はノーベル経済学賞を受賞するなど、すっかり認められるようになった感がありますが、タイトルどおり入門として読みやすく理解しやすい一冊でした。一投資家としては、うなずいたり、耳が痛かったりする言葉ばかり。


・人は自信過剰になりがち→自信過剰は過大な取引で損につながる
・投資家は損切りを恐れ、利確を早まる→結果的に損をする
・人は今持っているものを持ち続けようとする(現状維持バイアス
・人は心の中で資金を別々に考える(メンタルアカウンティング)
・給与よりもボーナスのほうが貯金しやすい(日本の貯蓄率にも影響?)


等々。例えば100円で買ったペンを一年間愛用してたら、その後150円の新品と取り替えると言われてもなかなか承諾しないと思います。これは現状維持バイアスなんでしょう。合理的に考えれば躊躇なく取り替えるべきなのでしょうが。


決して合理的ではない人間の心理を分析し、実際の経済行動に与える影響を考える。当たり前と言えば当たり前のことのようにも思えますが、21世紀になってはやるというこては、よほどそれまでの「合理的人間」像が経済学界では強かったということなのでしょうかね。


もっとも、損切りは早めにといわれる一方、恐怖心にとらわれ長期的な視点を見失っては駄目ともありますので、結局迷ってしまいますが。