「紳士同盟†」

紳士同盟クロス 1 (りぼんマスコットコミックス (1590))

紳士同盟クロス 1 (りぼんマスコットコミックス (1590))

種村有菜さんの漫画は結構好きで、「神風怪盗ジャンヌ」も「満月をさがして」も全部読んでおります。なんと言っても絵に華と力がある。これは重要だと思うのですよ。ストーリー的にはどの作品もかなり唐突気味に設定が明かされていく感がありますが、それもよく言えば勢いと意外性があるってことで。あと種村さんと言えば欠かせないのが詩的モノローグ。あれ、合わない人はとことん合わないような気がしますが、僕は嫌いではありません。この紳士同盟†もそんな要素たっぷりで楽しめました(今のところ5巻まで読了。どうでも良いですが、「†」の記号はクロスチャンネルを思い出します)。


主人公の灰音と言う名前は、やっぱりシンデレラから来ているのでしょうか。当然閑雅が王子様と言うことで。ヒロインらしい元気さが何より。……しかし、「皇帝」という呼称とか「金・銀・銅」というランク分けとか、実際にあったら嫌なことこのうえない差別的な学校ですな。「桜蘭高校ホスト部」とか「おとボク」とかでやたら豪華な学校が出て来るのは一種の憧れだからなんでしょうけどね。この中ではおとボクでもまだ普通な方です。


なお残念ながら、面白い反面、どこか「もったいなさ」を感じるのもこれまでどおりではありました。生意気なようですが、種村さんは期待値の割にいまいちブレイクしきれてない気がしてしまうんですよね。画力は問題ないので結局はストーリー面ということになるとは思いますが……。