乙女はお姉さまに恋してる 第8話「縮まらない記録」

素晴らしい出来栄えだったかと存じます。前回と前々回は「悪くないけどすごく良いわけでもない」印象だったので、今回は際立って見えました。ベタと言えばベタな話で、完成されているがゆえに感想もつけにくいのですが、真面目な性格だけに、悩み焦ってしまう由佳里の姿に共感できました。同級生の奏が頑張っているのを見て劣等感を持ってしまうというのもうまい描写です。


「親は、お嬢様学校なんてって戸惑いましたけど」


前回の感想にもちょっと書いた名字の話。みんなおおむね名家っぽいイメージでそろえられている中、由佳里の「上岡」だけいたって普通なんですよね。だからやっぱりこういう設定が秘められていたんだなあ、と納得しました。しかし他のはともかく、まりやの「御門」って名字はムチャですよねえ(汗)。


「私ね、ずっと父に髪を切らせてもらえなかったの」


瑞穂の、ある意味衝撃の告白。これまたすごい遺言を残す母親だと思いましたが、


「母が私に髪を切らせなかったのは、私が大きくなったときに自分の好きな髪形を選ばせるためだったの」


そ、そういうものなのですか……。まあ本人が納得しているのなら何よりですが。


「これのおかげでみんなと出会えたんですもの」


多分由佳里には意味が分からなかったと思いますが、ここまで言うとは、瑞穂の覚悟が伺えるセリフでありました。



夕日の2人のシーンが綺麗だっただけに、最後の一子の場面はちょっと詰め込んだ感もありましたが、由佳里と一子の友情を描くのは必要だったと思います。瑞穂以外の人間が一子に触れることが出来た、ということは強い想いがあれば大丈夫ってことなのでしょう。何か光ってましたし。最後はみんなで朝(だと思う)のランニングへ。良いラストでした。


次回はまりやのお話ですか。今回も先輩としていい味出してましたね。欠点も多いけど魅力的な人物、という描き方が出来ていると思います。これまた楽しみ。