「ICO -霧の城-」
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/06/16
- メディア: 単行本
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ストーリーの大筋はゲームの流れに沿っていて、イコが霧の城に送られてヨルダと出合って……ということで進みます。ゲームにおけるギミック部分の進行も割と忠実に文章化してあるあたりは良くも悪くもノベライズらしさでしょうか。なにやら久美沙織さんのドラクエ小説を思い出しました。なかで個人的に一番面白かったのはオリジナル色の強い「ヨルダ・時の娘」編ですね。賢く勇気あるお姫様ヨルダ萌えです。ただ、全体的にオリジナル部分とゲーム準拠部分の流れが完全に溶け合っていないというのは否めないかもしれません。
総評としては、かなり楽しめたので満足です。もっともICOはあくまでゲームが主だと思いますので、ゲームをプレイの上でこの本を読むのがベストかなと。あの城の風景はいかに宮部さんが筆致を尽くそうとも、一見に如かずなところがありますし。そう考えると、ICOのノベライズというのはあらためて難事だっただろうなあと思いますね。
余談ですが、個人的にやたら疑問なのがこの作品が「週刊現代」連載だったこと。どう考えても読者層が重なってないような気がするんですけどねえ……。