CLANNAD感想 その10

実はまだ続いていたりしたのです。まさかこんなにかかるとは思いませんでした。やはり物事はもうちょっと考えてからはじめないとなりません。ともあれ、今回はシナリオ以外のもろもろ感想です。


・絵
なんと言ってもビジュアルノベルで大切なのは絵。まず背景から触れますと、いつもながらその美麗さは際立ちますね。特に光の表現は絶品です。この背景美術は地味ながらKEY作品を盛り立てている重要パーツでしょう。そして主役ともいえるキャラクターCG。こちらはご存知樋上いたるさんの絵なわけですが、……うまくなりましたねえ。人様の絵を上手いの下手だの言うのもおこがましい身ですが、少なくとも萌えるという観点においてみるならば、確実にレベルアップしています。渚や杏なんてすごく可愛いじゃないですか。男キャラの絵が多少弱いかなあという気もしましたが、その辺は今後に期待。男キャラといえば朋也の絵がもっと多くても良かったかなという気はしました。主人公な訳ですし。まあ主人公の顔が全然でなかったONEやKanonなどからすると優遇のうちかもしれませんが……。
一枚絵でお気に入りなのは渚の卒業式のシーンやエンディングの4枚、それにことみシナリオのほとんど全て。ことみ関係のCGは妙にレベルが高いです。「数が少ない」という意見も散見されますが、プレイ時はさほど気になりませんでした(終わってから見直すと、確かに少な目かも)。
いたるさんの絵は嫌いではないですが、別の方の絵でのKEY作品というのも見てみたい気はしますね。


・システム
さすがに前作までのようなWINDOWSそのままのメニューは改善されましたね。前のは間違ってセーブやロードを上書きしてしまったりもしたので、当然とはいえ改善はありがたいところでした。でも今時640×480というのはすこしがっかりです。セーブ数100は選択肢が多いことを考えると少し不足気味に思えました。


・音楽
ある意味シナリオ以上に楽しみでもあった音楽。主題歌「メグメル」やタイトル画面の「汐」をはじめとして今回も良曲ぞろいでしたが……、正直、期待感が強すぎたのかKanonやAIRからは少し落ちたかなという感もありました。もっとも音楽に関してはAIRがすごすぎたというべきかもしれません。相対論ですから、あくまで高レベルでの話ではあります。個別には「渚」に加え「Etude pour les petites supercordes」「は〜りぃすたーふぃっしゅ」といったキャラクターのテーマが印象的でした。あと、使われ方は地味ながらしんみりと心に響く「白詰草」も忘れてはならないところです。歌はやっぱりメグメルとトゥルーエンディング曲ですかね。一方弱いかなと感じたのは”泣かせる”系の曲。どうも「潮鳴り」以外ぱっと思い出せないんですよね。AIRなんかはこのあたり珠玉の逸品ぞろいでしたから差がついてしまうところ。
アレンジCD「MABINOGI」はとても良かったです。KanonやAIRはアレンジがなんだか電子音的な方向に行っていて少し合わなかったのですが、今回はアイリッシュ生演奏風でとても気に入りました。これだけで2500円分くらいは元取れてます。「風になびく向日葵色のワンピース」「光りあふれる揺りかごの中で」「母から子へ受け継がれる小さな唄」等々、どれも素晴らしい出来かと。


・OP
動画形式になったかと思いきや、中身的には従来とあまり変わりなく止め絵が中心でした(笑)。相変わらず音楽に乗せての見せ方はとてもうまいです。ただ、そろそろ別パターンも見てみたいとは思いますね。あと、勝平や芳野さんも名前入れてあげましょうよ、せっかくなんですから……。
なお、あちこちで指摘されているOPの入る位置ですが、確かに疑問でした。KEYさんのことだから深謀遠慮の末に決めたのだと思いたいのですが、はて……。