「四季 夏」（森博嗣）

「あれ、四季ってこんな萌えキャラだったっけ？」などと思ってしまう第二巻。１３歳になって知性も美貌も一段と成長した真賀田四季ですが、書かれるのは意外にも自らの限界と思考のゆれに戸惑う彼女の姿でした。これまでほとんど完璧超人だっただけに、新鮮味があります。当たり前ですが、一応限界設定あったんですね、彼女……。ただそうは言ってもそこは四季、相変わらず常人離れした能力と行動を見せてくれます。もはやミステリーでは全然ないですが、その分森さん独特の理屈っぽい文章を心ゆくまで楽しめるシリーズと言えそうです。
ところで、四季を見ていると天才つながりで一ノ瀬ことみを連想してしまいます。ＣＬＡＮＮＡＤ作中でははっきり言ってその天才ぶりが不明瞭なことみですが、四季と会話したらどんな感じになるのだろう、とか。まあ設定上四季は人類随一ですので何人たりとも彼女の頭脳は上回れないのでしょうが、面白そうです。なんだか「すべてがＦになる」での萌絵と四季の会話あたりも読み返したくなってきました。