菊池雄星、希望と失望の狭間で

西武菊池雄星157キロ プロ野球左腕史上最速(日刊スポーツ)


今日は3位を争うロッテとの直接対決。ゲーム前の時点で3ゲーム差つけており、今日勝てばほぼ確定と言える状況でした。そんなゲームの重要性と、自身の二桁勝利への道(現在8勝)もかけて、菊池雄星は立ち上がりから気合のこもったピッチング。いきなり初回にプロ一軍最速の155キロをマークすると、2回デスパイネには157キロの剛球で押し込みます。上記記事にもありますが、これは菊池にとってのみならず、NPB一軍での左腕最速記録でもありました。ここまでは素晴らしかった。


しかし、さすがに飛ばし過ぎだったのか、球威そのものはそれほど落ちなかったものの、中盤から球の抑えがきかなくなり、7回には四球連発から自らのミスも絡んで失点。結局負け投手となってしまいました。


良かった点もあり、悪かった点もありの今日の菊池でした。まず良かったのは、なんといっても自己最速の157キロをマークしたこと。これまでの菊池の最高球速は一軍では154キロでした。高校時代は155キロをスカウトのスピードガンで計時したことから、「155キロ左腕」とずっと言われてきましたが、プロで超えられていなかったのは、菊池本人も少し気にしていたのではないでしょうか? 少なくともファンである僕は気にしてました。もちろん最高球速だけがすべてではないですが、まるで高校時代がMAXであるかのようなイメージになっちゃいますからね。一応二軍では156キロ出していたのですが、それはそれで注釈がつくのが面倒ですし。


これで名実ともに157キロ左腕ですよ(コボスタだったら、160は無理でも、159くらいまで出たかもなあ……)。とりあえずこの一点だけでも「20年に一人の高校生左腕」の触れ込みは間違いではなかった、と言えましょう。


で、悪かった点は言うまでもなく、それでも勝てなかったということです。打線の援護が弱かったこともありますが、そこを耐え忍んでこそエース。今はまだ、岸に及びもつきません。「制球力が」と言われますが、プレッシャーの掛かる場面でおかしくなることを考えますと、どうもメンタルが主因のような気もします。楽観的に考えれば、場数を踏んでいけばそのうち良くなっていくだろうという気もするのですが、変化球の精度ともども、じっくり磨いていただきたい。


随分と遠回りの上に大器晩成的成長速度になってますが、まだまだ最強エース菊池雄星の誕生を楽しみにしていますので、頼みますよ(ただ、このペースだと完成した頃にはFAでメジャーに言っちゃうのではないかという不安が。まあそれはそれで良いか)。