安定の田中と圧巻のダルビッシュ

田中将、8イニング1失点で8勝目 史上2人目の開幕から11戦連続QS(中日スポーツ)


すごいですね。メジャー1年目とは思えない成績を残しています。もとより、「メジャーで通用するのか」なんて問いはナンセンスであり、「活躍できて当たり前」とは思っていましたが、それでもここまでとは。常識的に考えればこれから壁に当たるときも来るのでしょうが、去年の24連勝を見せつけられた日本のファンとしては、ひょっとしたら壁なんてものは最後までないのではないか、などと思いはじめたり。


記事のタイトルにもありますが、11試合連続のQS達成。確か去年も全試合QSだったはずで、その安定感は驚きというほかありません。日本時代もそうでしたが、完全にピシャリと抑えるというイメージではあまりないんですよね。ただ、ランナーを出しても点をやらない。失点しても最小限で切り抜ける。それが田中の真骨頂です。セイバーメトリクスでは投手の「勝ち星」は運の要素が大きいとして重視しない傾向にありますが、田中を見ていると、運によらない「勝つ能力」というのが確かに存在するように思えてくる。ここはぜひ、本場アメリカのセイバーメトリシャンに、そこのところを突っ込んで研究してもらいたいものです。


さて一方。


復帰のダルビッシュ 今季5勝目!不安払しょく、8回12K無失点(スポニチ)


田中の安定感に対して、こちらは相手を圧倒するピッチングが持ち味のダルビッシュ。時おり不安定な面を見せることもありますが、ハマった時のボールはメジャーの強打者をもなぎ倒します。好みの違いもあるでしょうが、やっぱり見ていて爽快なのはダルビッシュの方。しかし田中と違ってなかなか援護に恵まれません。これまた不思議な話。味方打線の違いと言ってしまえばそれまでですが、そのすごすぎるピッチングが味方をもしびれさせてしまうためではないか……なんてのは素人の浅知恵でしょうけど。ただ、日本時代も最多勝には縁がなかったダルビッシュ。いつかメジャーで最多勝を取る日が来るのでしょうか? ひょっとしたらサイ・ヤング賞よりも遠いかも?


それにしても、これで防御率ランキング1位が田中、2位がダルビッシュです。瞬間的なものとはいえ、感慨深いものがありますね。こうなったら2人とも、日本時代同様、当たり前のように防御率1点台といってもらいたいところ。


2人の他にも先発では岩隈、黒田が奮闘中。松坂も待望の先発復帰が決まったようです。今季は日本人先発投手が、過去最高の成績を残す年になるかもしれません。楽しみです。まあ、それで日本人投手の評価が上がって、また流出が激しくなったらどうしようかという心配は、いつものごとしなのでありますが。