そにアニ-SUPER SONICO THE ANIMATION  第12話「ここにいまうs♪」

最終回。「最後はライブ」は、アニメの一つのお約束的形になりつつありますが(いつからだろう……)、最初からライブがスタートして、歌を流しつつライブが実現するまでの回想や、そに子と縁のあるキャラたちの描写が挟まれるという味のある展開。そに子のためにみんなが喜んで力を貸す。ご都合主義ではなく、それが納得できてしまうだけの彼女の人柄がこれまで描かれているからこそ、光ります。


それにしても、人徳というのは生まれつきの才能なのでしょうか……。そに子自身は別に意識して行動しているわけでもないでしょうに、周囲に笑顔を与える存在になれている。だから、こうしていざというときは他の人に助けてもらい、自分も笑顔になれる。ちょっとうらやましく思わないでもないです。


まあ、それはともかく。ゲストキャラも総出演で明るく元気に締めて、まさに大団円。そしてまた、彼女の日常は続いていくのでした。めでたしめでたし。


開始前はほぼノーマークでしたが、結果的にはキャラアニメとしてはほとんど理想型とも言える良作でした。もともとそに子というキャラ自体知らなかったのですが、おそらく、設定の大枠だけがあって、細かいストーリーというものはないキャラだったのでしょう。逆に言えば他にしがらみがない分オリジナルに近い性格になるわけで、スタッフの力量しだいでは良い作品になるかも、という漠然とした期待はありました。本当に期待に応えてくれましたね。


基本はあたたかい人情ドラマ。ときにはゾンビ回や探偵回のようなギャグも挟んだオムニバス。ライターさんの取材に新潟一人旅、それと猫回が特に印象的でした。さすが黒田さんです。アダルトゲームメーカーのイメージキャラにして、安易なエロに走らなかったのも評価。むしろ初回の水着とかいりませんでしたね。


あえて難点を挙げれば、そに子が最初から最後まで良い子すぎて葛藤がない、というのはありますが、そこはまあ前提なので動かせませんか。


この、キャラのプロモなんだか日常アニメなんだか良く分からないジャンルの本作がどの程度市場に受け入れられるのかは興味深いところですが、もし好評ならば2期も見てみたい。そう思わせる優しい作品でした。