「イエスの復活―実際に何が起こったのか」
- 作者: ゲルトリューデマン,Gerd L¨udeman,Alf ¨Ozen,橋本滋男
- 出版社/メーカー: 日本基督教団出版局
- 発売日: 2001/08
- メディア: 単行本
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「イエスの復活」といえば、キリスト教の根幹をなす教義の一つであり、同時にもっとも謎深いエピソードであります。本書はタイトル通り、実際にはいったい何が起きたのかを丁寧に考察していきます。なんでも元はもっと学術的なものだったものを、一般向けに分かりやすくまとめたものだとか。それでも十分細かい論証ですが。
で、その結論はと言うと、
「イエスが復活したというのは幻覚で説明できる」
という身も蓋もないもの。非クリスチャンの現代人からすると「まあそうなんでしょうね」という感覚ではありますが、これがクリスチャンの学者によって書かれ、それも日本基督教団出版局なるところから出版されているんですから、ちょっと驚きでした。
しかしそうなると疑問なのは、イエスの復活を否定して、なおクリスチャンでいられるのかということです。この点について著者は自信をもって「いられる」と回答しているのですが、いささか不思議な感は残ります。「キリスト教成立の謎を解く―改竄された新約聖書」を読んだ時にも同様の感想を抱いたものですけどね。