プロ野球戦力分析 2012 パ・リーグ編その2

パ・リーグ編」と銘打っては見たものの、セ・リーグ編があるのかどうかは未定であります。ということで今回は去年3・4位の2チーム。



オリックス・バファローズ
○2011年成績 69勝68敗7分 4位 478得点 518失点 得失点差 -40
主な戦力異動:+イ・デホ、高橋信 −イ・スンヨプ


去年はギリギリの4位で涙を飲みましたが、今期は上位球団と違って大きな戦力喪失がないため、台風の目とみられるオリックスです。ただ、良く見ると得失点差はかなりマイナスなんですね。これで貯金を作ったのは岡田監督の手腕と見るべきか、はたまた運が良かったと見るべきか。もし後者だとすると、前評判も額面通りには受け取れない可能性もありますが……。


投手陣ですが、すっかりエースとなった金子に、去年は力強い投球を見せた寺原。成長株の西、さらに中山、フィガロ木佐貫と並べていくと、なかなかのメンツです。リリーフも、今やすっかりチームの顔となった平野‐岸田のリレー。2人だけでは大変そうでしたが、ミンチェ獲得でさらに層が熱くなりました。……ただ、平野も岸田もこの2年間フル回転しているので、そろそろ勤続疲労がどうかな?


打線では、なんといっても「韓国の三冠王イ・デホが注目。韓国人打者ということで危惧されている面もありますが、僕はかなりやるんじゃないかと思いますね。さすがに韓国時代そのままの成績とはいかないでしょうが、とりあえず2割7分の15本くらいは(統一球で来日一年目ならこのくらいでも十分かなと)。それと、忘れてはならないT‐岡田。彼がやらないことには、イ・デホとの相乗効果がでないので、こちらも注目です。


岡田監督も3年目。戦力的にも勝負の年となります。金子がケガをせず、ミンチェ、平野、岸田が機能し、イ・デホが当たってT‐岡田が復調すれば、優勝は十分にありえるでしょうが、さて、そこまでうまくいきますかどうか。



【評価】 投手☆☆☆+  野手☆☆☆  総合☆☆☆+



埼玉西武ライオンズ
○2011年成績 68勝67敗9分 3位 571得点 522失点 得失点差 +49
主な戦力異動:+ヘルマン、カーター、ゴンザレス、ウィリアムス、嶋 −帆足、ミンチェ、フェルナンデス


得失点差はオリックスの−40と差し引きすると89点。それでゲーム差なしというのはどういうことかという気もしますが、明確な打高投低チームになっている西武です。


まずは投手陣。先発は涌井、岸の両輪に、先発再転向の牧田、ルーキー十亀(開幕ローテからは外れちゃいましたが)、それに西口、石井が加わることでしょう。帆足が抜けたとはいえ一応揃っているように見えますが、まず肝心の涌井、岸からして昨年は2ケタ勝利に届かず。十亀は未知数、両ベテランの年齢も不安が残ります。「西武は中継ぎが課題」と言われ続けていますが、実は去年は先発も悪かったのでした。菊池と大石が早いところ戦力になってくれれば良いんですけどねえ。


一方、問題のリリーフ。ミンチェの移籍は痛手でした。去年クローザーを勤めた牧田が先発に戻ったこともあり、もともと薄い層がさらに混沌としております。セットアッパーは去年も頑張った岡本篤として、クローザーはゴンザレスか。これにウィリアムス、MICHEALといった補強組が入ることでしょうが、いかんせん計算不能です。既存戦力も含めて「誰かハマってくれたらラッキー」の状況でシーズンに突っ込むしかなさそうです。


昨年リーグ1の得点を上げた打線については、なんといっても大きいのが中島の残留。中村との3・4番コンビが健在になりました。もし中島がいなかったらと思うと、ゾッとしますね。ほかには栗山、浅村、新外国人のヘルマンも期待できます。ただ、5番を任せたかったカーターがいきなりケガで完治2ヶ月の有様。急遽広島から嶋を獲得しましたが、中村の後を打つ打者次第で、攻撃力が大きく変わる可能性はありますね。


巷では優勝候補の呼び声もありますが、どうも今年も投手陣がぴりっとしない予感。果たして打ち勝てるか?



【評価】 投手☆☆☆  野手☆☆☆☆  総合☆☆☆+