「天皇が十九人いた―さまざまなる戦後」
- 作者: 保阪正康
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2001/10
- メディア: 文庫
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日本が大きく混乱した戦中、そして戦後。自称天皇達、昭和天皇、東条英機、鶴田浩二、市川雷蔵ら様々な人々を丁寧に調べて書きだしたルポタージュ集です。
特に印象的だったのは沖縄戦における一人の少女の話を扱った、「白い旗の少女」。元になったエピソードはドラマ化されたということでWikipediaにも記事がありますが、絶望的状況下における住民の悲惨がひしひしと伝わってきました。アメリカ軍が投降を呼びかけても、日本軍はそれを許さず、出ていこうとした住民を後ろから撃ち殺したりもする。久々に戦争の理不尽と恐怖を味わうような思いでした。
あとは市川雷蔵ですね。名前くらいしか知らなかったのですが、それほどすごい役者だったとは。機会があったら出演作を見てみたいです。
その他のエピソードも著者の真面目な取材ぶりが反映され、一編一編は決して長くはないものの、密度が濃くて読み応えのある一冊でした。