「迷宮街クロニクル4 青空のもと 道は別れ」

迷宮街クロニクル4 青空のもと 道は別れ (GA文庫)

迷宮街クロニクル4 青空のもと 道は別れ (GA文庫)

現代京都の地下に大迷宮と怪物が現れた、という荒唐無稽な設定を、リアルに書いた群像劇も最終巻。シリアスな内容ながら重すぎず、グイグイと読ませる力作でした。結局迷宮の謎は明かされず仕舞いでしたが、「がっちり完結」という表現が思い浮かびましたよ。真壁が生きて迷宮街を去ることができてよかった。今作のことだから最後の最後に死亡とか十分にありそうで、ハラハラしました。


ただ、真壁と由香里を別れさせる必要があったのかちょっと疑問というか、この点に関しては最初から「作られすぎた」流れに見えてしまいました。あと、一巻の感想でも書きましたが「銃が有効なのにも関わらず法律上使えない」というのはやっぱり変ですね。これだけ死傷率高いのに、それを防げる手段を認めないというのでは、政府や事業団に批判殺到でしょう。


あとがきによると、今作はもともとはてなダイアリーで公開されていたそうで。知らなかったのはうかつでした。まあ、こうして本で読めたからOKです。