「迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル?」
- 作者: 林亮介,津雪
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2008/11/15
- メディア: 文庫
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これは面白かったです。底知れぬダンジョン探索、怪物とお宝に挑む探索者達、というのは古来RPGで好まれてきた題材で、最近では世界樹の迷宮が印象的ですが、それを現代日本を舞台にした群像劇として作り上げたところが新鮮ですね。
かなり容赦なく人が死んでいくシビアな世界。あえてそこに挑む探索者の生み出す気風が、タイトルにも入っている「迷宮街」自体を一つの主人公としているように感じさせられました。良く言えば豪胆で磊落、悪く言えば命を軽んじることにつながる迷宮街独特の雰囲気が存在感あります。もちろん、キャラそれぞれの魅力も言うまでも無いところですけどね。
自分だったらどうするだろう、と考えてしまいますが、戦士は無理でしょうし、よほど術師の才能が無いときついでしょうねえ。というよりそもそも迷宮街なんて挑戦しないでしょう、普通に考えて。やはり探索者たちはそういったメンタル的にも特別な存在なんだと思いますね。
一つ気になったのは、剣あり魔法ありの世界で、銃が自衛隊以外NGという設定。「日本だから」という説明だけでは無理がある気がします。銃刀法をいうのであれば、そもそも剣だってダメでしょうし。重火器で押し切るのでは緊迫感が出ないのは分かるんですが、そこはエーテルの作用で火器が作動しないとかなんとか理屈がつかなかったかな、と思うところです。