屍鬼 第8話「第夜話」

墓の掘り起こし。遺体が入っていると思えば怖気づくのがむしろ普通で、その点、かおりの反応は至極常識的と言えましょう。それを実行できてしまう夏野のほうがどこかおかしいわけで。考えてみれば初回から、彼のどこか突き抜けたような冷静さは特徴的でした。そんな彼の性格を描いてきたからこそ成り立つ展開だなあ、と思ったりもします。


棺を開けても――分かっていたこととはいえ――そこには恵の姿はない。さらにかおりが襲われ、撃退した暴漢には息がなかった……。恐怖と不安に眠れぬ夜を過ごす3人の描写が効いています。さらに翌日夕刻、夏野の家を訪れた不気味すぎる少女。夏野父の対応は決して間違っていなかった、むしろ良く粘った方だと思うのですが、あれだけごねられてはねえ……。いやもう、いよいよ敵さんがしゃにむに勢力拡大に出て来た強硬さに、ピリピリと緊張感が満ちる引きでありました。


一つ残念なのは、尾崎先生が回想でしか登場しなかったことですかね。入院泊り込み作戦がどうなるか見たかったのですが。まあ、そこは次回に期待です。