「新世紀エヴァンゲリオン 12」
新世紀エヴァンゲリオン 12 (角川コミックス・エース 12-12)
- 作者: 貞本義行
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2010/03/31
- メディア: コミック
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この作品も足かけ何年になりますかねえ。休載が多くて亀の歩みという感じですが、それでも衰えず面白いのはすごいとこです。
いよいよ本格化するネルフ本部へのゼーレの侵攻。近年は新劇場版の印象ばかりが強くなっていますが、そうだよなあ、エヴァのラストといえばやっぱりこうだよなあ、と、懐かしくも痛々しい旧劇場版(以下、アニメ版)を思い起こしてしまいます。
ただ、アニメ版と比較すると、そこかしこでアレンジされてますよね。特に、シンジとゲンドウの直接の対話、それもかなり深いやり取りが描かれているのが大きいです。思えば父と子の対立はエヴァにおいて重要なテーマであったはずですが、アニメ版ではスルーされてしまってました。それをはっきり浮き立たせたという点で、上手いし、面白いと思いました。
また、ミサトがシンジをエヴァに乗せようとする別れの場面。アニメ版ではミサトがやや感情的になっていて、虚脱状態のシンジに一方的にしゃべっているだけのような印象でした。それが今作では、ちゃんと対話が成り立っている。ミサトの気持ちがシンジに伝わっていることが良く分かります。「これを観たかった」という感慨でした。
さて、いかに何でももう1・2巻でラストでしょう。果たしてどういう結末を迎えるのか。仮にアニメ版と大枠が同じだったとしても、貞本エヴァならではの納得が得られるのではないかと期待しております。