日本シリーズを振り返る

見ごたえのあるシリーズでした。すでに各所で語られていますが、10年、もしかしたら15年に一度くらいの激戦だったかもしれません。92・93年の森西武‐野村ヤクルト以来と考えるとちょうどそうなりますね。近年低調だった視聴率も好調だったということであり、他チームファンも含めて引き込めたのではないでしょうか。燃えました。最後は見ているだけでフラフラでしたよ。


○結果
第1戦 西武 2‐1 巨人
第2戦 西武 2‐3 巨人
第3戦 西武 4‐6 巨人
第4戦 西武 5‐0 巨人
第5戦 西武 3‐7 巨人
第6戦 西武 4‐1 巨人
第7戦 西武 3‐2 巨人


以上西武の4勝3敗。今回は珍しく事前の予想が当たりました。


やや意外だったのは、ロースコアの接戦が多かったことです。お互い攻撃力を前面に出したチームだけに、もっと打ち合い、あるいは大差ゲームの応酬もあるかと思っていたのですが、ワンサイドに近いのは第4戦くらいだったでしょう。第5戦も7回までは2−1でしたし。これはもちろん、シリーズで投手が目一杯がんばったということもあるでしょうが、やはりお互い主力打者を欠いていたのが主因でしょうね。その意味では、接戦ではあったけれどもフルスペックのぶつかりあいではなかった。そこがちょっと残念ではありましたが、だからこそ、不足を補おうと気迫がこもっていたのだとも思います。巨人も生え抜きの若手中堅が出てきて、ちょっと前までの「外様だけ」感が薄れていたのも、シリーズの清涼剤になりましたね。


西武は第5戦の敗北で厳しくなったと思いましたが、第6戦、第7戦の渡辺監督の采配にはしびれました。いきなり岸を投入し、なおかつ最後まで投げさせる大胆起用。そして第7戦でのエース級投手の連続投入。短期決戦用の采配がここまで決まるとは。どこにそんな引き出しを隠し持っていたのか、驚愕しましたよ。


そして勝負を手繰り寄せた片岡の走塁。説明不要の劇的なシーンでした。これぞ今年の西武の積極性の集大成であり、日本シリーズの醍醐味でした。あの87年辻の走塁のように、伝説となっても良いくらいのすごさでしたが、ちょっとそこまでは難しいかな。でも西武ファンは忘れないでしょう。最後2回を締めたグラマンも、守護神の意地を見せてくれました。



4年ぶりの日本一ではありますが、04年は2位からのプレーオフ勝ち上がりということもあって、素直に喜べないところもありました。でも今年は違う。文句のつけようのない優勝です。アジアシリーズとかWBCもありますが、それはそれとして、オフの間は浸ってられます。最高の一年でした。